この本と出会えて良かった。
九月が、彼女の月がきた
彼女のうちに息づく生命は、
この月にこそ弾む
彼女は葉を落とした木々を、
炉に燃える火を愛する。
だからぼくは一年のうちで、
この九月と十月とを
彼女に帰するのだ
ぼくの一年のすべての日々は彼女のもの
彼女はその多くの日々を
すでにぼくにとって耐えがたくし
あるいは謎多きものとしているが
それよりもはるかに数多くの日々を、
えもいわず、幸せなものとしてくれている。
彼女はぼくの毎日に一抹の香りをのこし、
ぼくがめぐらした壁には
彼女の影が軽やかにおどっている。
彼女の丈なす髪は、
ぼくのすべての滝にまつわり
ロンドンのすべての街路は、
思い出のくちづけをちりばめている。
ルーイス・マクニース 『秋の日記』より
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年12月14日
- 読了日 : 2013年12月5日
- 本棚登録日 : 2013年12月5日
みんなの感想をみる