明るい公務員講座

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  • 時事通信社 (2017年2月16日発売)
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日本経済新聞社小中大
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あすへの話題新人諸君へ 元復興次官 岡本全勝

2018/4/5付日本経済新聞 夕刊
 新年度が始まった。

 新社会人諸君、おめでとう。大きな夢と少しの不安で緊張していることだろう。早く仕事を覚えて、活躍してほしい。しかし、これからの人生、苦労もある。

 今の私を知っている人は信じてくれないが、若い頃、出勤恐怖症になった。仕事が進まず、職場が嫌になった。先輩が相談に乗ってくれて、乗り越えることができた。その後も悩んで経験を積み、他方で悩む部下を見てきた。そして気がついた、「みんな、同じようなことに悩んでいる」と。

 本人にとっては初めての大事件でも、世間ではありふれたことが多い。結婚式も海外旅行も。経験者から見ると、初心者はつまらないことで悩んでいる。私たちの職場では、「世紀の大事件」はめったにない。先輩に聞くと、たいがいの悩みは解決する。

 私は、政府と県庁とで、様々な仕事と職位を経験した。その経験で得たコツを本にした。その名も『明るい公務員講座』。後輩たちに教えたかったことは簡単だ。「明るくやろう」「一人で悩むな」

 本屋にはたくさんビジネス書が並んでいるが、若い職員には意外と役に立たない。「偉人に学ぶ仕事術」ではなく、「普通の人ができる仕事術」を書いた。公務員だけでなく、勤め人一般に通じると思う。

 仕事で悩んだときにどうするか。上司を説得する方法。後回しになっている仕事を進める方法など。小さいけれど大事な経験こそ、ビジネス書には書かれていない。読んでなるほどと思ったら、実践してほしい。既にやっているなら、威張っても結構。

 諸君、明るくやろう。そして、一人で悩むな。

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カテゴリ: Business
感想投稿日 : 2018年4月15日
本棚登録日 : 2018年4月15日

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