アンの世界地図 ~It's a small world~(5): ボニータ・コミックス (ボニータコミックス)

著者 :
  • 秋田書店 (2016年8月16日発売)
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本棚登録 : 101
感想 : 7
5

友達におすすめされて読んだ本。
冒頭からぐわっときた。ネグレクトされて育ったにしては明るいけど、人を容易く信じるところとか、愛着障害なんだって本当に思う。アキがいい子で良かったねアン。
ドイツ俘虜収容所の話と絡まったあたりから、少しミステリ風味になって、アキの家の歪さも露呈したけれど、見捨てる人間もいれば拾う人間もいて、この世で絶望する必要はないんだなあと思った。
しかし、お互いに思い合っていても、人と人って本当のところではやっぱり分かり合えていないんだろうし、わかり合おうと思うと、対話は大切だ。夫との関係でも良く思うが、何か相手に引っかかる部分があったら、その時点で膝を突き合わせて冷静に話さないと、あとで爆発するかぷつんと切れるだけ。仕事もこれはまずいかもと思った1ヶ月後くらいに爆発するが良くある…人間関係も同じこと。
アンが、自分が親に本当に愛されてなかったんだって気づいたとき、そばにアキがいてくれて良かったと心から思った。あれに気づいたときに受け止めてくれる人がいないのはキツい。
物語の進み方も、人々のあり方も、読後感もとてもいい作品だった。
電子書籍じゃなくて紙で読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月17日
読了日 : 2021年3月17日
本棚登録日 : 2021年3月17日

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