さらば国分寺書店のオババ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1996年9月2日発売)
3.49
  • (43)
  • (49)
  • (147)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 623
感想 : 50
3

あらゆる飲食物のなかで「ビールが一番好きだ」だが、飲食店で冷やしすぎて、水滴の付いたキリンレモンのコップで出されるビールには反感を持つ、食物ではラーメンが好きだが、これは急いで食うことが必要で、読書と相性が悪い。食べつつ、「国分寺書店のオババはなぜ持ち込んだ段ボール箱を一瞥もせず俺(筆者)を無視したのであろうか」
一見とりとめないが、オババは売りに来た若者に「こんな全集の端本ばかり持ち込んでどうするんだい」と冷遇し、店は見渡してみれば全集の全巻揃いがひしめくというハイクラスインテレクチュアル御用達らしかった。
「制服」というものが嫌いなのは、鉄道乗務員が「乗車券を拝見します」と回ってきて、小銭で乗越運賃を取ることや、公務員が安価な官舎に入居していることにも向けられるが、ときには腕力に訴えても秩序を維持する機能は認めている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: essay
感想投稿日 : 2023年10月15日
読了日 : 2023年10月13日
本棚登録日 : 2023年5月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする