3篇の物語が納められている。
いずれも家族、それも、一般的な感覚でいうと「親失格」な父親や母親と、その息子の物語だ。
酒に溺れるヤクザな父、精神が不安定な母、ろくに仕事もしない父・・・・それぞれのダメ親への思慕と嫌悪を、自分もまた、親になるような年齢になってから、息子(+娘)が振り返る・・・という趣向。
これといって大きな事件があるわけではなく、爽快さや楽しさがあるわけでもない。ただ淡々としていて、少し苦い。黒桃、無花果、リュウグウノツカイ…。各篇に象徴的に登場する事物が印象深かった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
痛々しいもの
- 感想投稿日 : 2007年5月13日
- 読了日 : 2007年5月13日
- 本棚登録日 : 2007年5月13日
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