ストーリーは書かずに、感想のみ書きます。
一部、軽くネタバレしているので、これから読まれる方はお気をつけください。
最初は暁海が自分の母親の弱さゆえに、ヤングケアラーとして生きるしかなく、高校時代からの恋人で、どんどん有名になって成功していく櫂とすれ違うようになっていくところは、暗く可哀想な話でしかありませんでした。
暁海が父の浮気相手で、事実婚している瞳子には「ーいつになったら、あなたは自分の人生を生きるの?」と言われます。
狭い島の中でずっと二人のことを見ていた北原先生に暁海が「僕と結婚しませんか」と言われる場面では、ああ、これでこの作品に本当のハッピーエンドはなくなるのかと思いました。
「子は子、親は親です。
附属物のように考えると悲劇が起きます」
by北原先生
そして、まさかの場面展開。
「過去は変えられないと言うけれど、
未来によって上書きすることはできるようだ」
by暁海
櫂と暁海が3回目に見ようとした、花火の音が書いていないけれど「ヒュルルルルー、ポンッ」と打ち上げられて夜空に全開するのが見えた気がしました。
確かに泣かされましたが、最後の場面はずるい、禁じ手だよ。こんな残酷できれいなラストはないよと思いました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年8月8日
- 読了日 : 2022年8月8日
- 本棚登録日 : 2022年7月1日
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