あやめ 鰈 ひかがみ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2008年10月15日発売)
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本棚登録 : 71
感想 : 10
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「あやめ」の始まりかたが好きだと思う。事故で死んだ木原が立ちあがり死んだことを分かりながらずれた記憶の中を歩いていくところ。隣り合わせの記憶の世界では死者が生者のように動いている。「鰈」は「あやめ」にも出てきた土岐が死者の地下鉄に載って地獄の世界に足を踏み入れていくまでが書いてあった。これはちょっと微妙。明らかな社会的強者と弱者の色分けが苦手なんだと思う。弱者の気持ちを上から書いてあるように読めてしまうのが苦手。性的な弱者も。今後の自分の課題でもあるかも。逃げてばかりじゃダメだ。書けないならせめて読めないとダメだと分かっているから。「ひかがみ」は良かった。真崎が死者を見送って妹を獲る。この妹タマミは蛇だ。ひかがみを触る。なめらかなひかがみをさわる。いないはずの妹。死者からの電話。生きているのはいったい誰なんだろうと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年4月26日
読了日 : 2017年4月26日
本棚登録日 : 2016年8月12日

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