2014 4/23 1-3章を中心にパワー・ブラウジング。恵文社一乗寺店で購入。
たぶんこれは図書館を考える上でも有効な示唆をいっぱい含んでいると思って入手した、スターバックスから現代アメリカの文化/消費行動を見る本。
本書ではスターバックスは「真正さ」や「サード・プレイス」を名乗りつつそれは実際は売るための戦略であることが指摘されていて、特に「サード・プレイス」についてはオルデンバーグが意図した意味でのそれにはまるでなっていない(安全/開かれていなくて/他人との会話はめったにおこらない)ことが批判されている。
著者は、当初はスターバックスをサード・プレイスだと思っていたし、その他の様々な点についても「なぜスターバックスは成功したのか」という肯定的な論調で調べ始め、どんどん考えるうちに、結局人々がスタバに求めていたらしきもの、スタバの約束は何も実現されていないじゃないかということに気づき、批判するサイドに回ったという。
しかし、そういう場(サード・プレイスかとおもいきや実は全然そんなことない場所)こそを求めている人がいっぱいいるって話でもある。万人に開かれた場ではない場にいることを消費する?
その戦略は図書館は取り入れづらいが、しかし、万人向けの場は誰も来ない場かもよ?
逆にアメリカでスターバックスの凋落がはじまったのも、普及しすぎて「ほかと違う自分」を演出したり消費を通じてそういう気分に浸ったりできる場としての機能を失ったからではないかみたいな方向につながっていって、しかしそうなると最初から「ほかと違う」の演出に使いうる性質を持たない図書館はどうしたらいいのかね。万人に開きながらそういう雰囲気を持たせることはできるんだろうか。
- 感想投稿日 : 2014年4月23日
- 読了日 : 2014年4月23日
- 本棚登録日 : 2014年4月23日
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