ブラックホーク・ダウン 下: アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録 (ハヤカワ文庫 NF 265)

  • 早川書房 (2002年3月1日発売)
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本棚登録 : 213
感想 : 12
5

2010 8/28読了。書泉ブックタワーで購入。
『カラシニコフ』でソマリアについての記述を読んでから気になっており、いくつか書店を回って探してやっと見つけたので買った。
映画は未観賞だが、解説によればおすすめらしいのでいつか見たい。
ブラックホークが撃墜されてからの、延々と続く詳細な戦闘描写。
どれだけ取材したのかと軽く引くほどの人数の兵士、あるいはソマリ人の心象や背景まで含んだ記述に目が離せなくなった。
戦闘への参加を望んで、楽しみにすらしていた兵士たちが変わっていく様子、自分や友人が傷つけられ死んでいく怒りを敵にぶつけていく姿に共感しそうになる一方で、はるかに多く、安く命が失われていくソマリ人の描写が間に挟まれる。
人質になった友軍を取り戻すためなら再び戦場に戻る覚悟を決める(それは発揮されなかったわけだが)レインジャーとデルタを格好いいとも思い、「N・S・D・Q」をあの場面で言える誇り高さに敬意を覚えそうにもなるけど、それが数百のソマリ人の命を奪ったものでもあるのなら、さて、こいつはいったい何なのだろう、とかなんとか。
最初は単に最新鋭の装備を持った米軍がソマリアで苦戦した、という大枠だけ聞いて興味を持って手に取ったんだけど、全く予期しなかった読後感を得た。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 批評・ノンフィクション
感想投稿日 : 2010年8月31日
読了日 : 2010年8月28日
本棚登録日 : 2010年8月31日

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