「わたしは、生きている間ずっと、物事がよくなるのを待っていた。マニャーナには明るい光がさしてくると思ってな。でも、おかしなことに、世界が変わってくれるのを待っている間は、何も変わらないんだ。わたしが、変えようとしなかったからだ」
キューバからアメリカに亡命しようとするイサベルのおじいちゃんの言葉に、すべてが集約されている。そして、その言葉は読む側にも突きささってくる。
シリアのアレッポから逃げてきたマフムードの、見えない存在でいればだれにも気にされずにすむけど、それでは誰にも助けてもらえないというのも、矢のように突きささる言葉。
日本の入国管理局の非人道行為、なんとかやめさせられないのか……。いろいろつらい。
3人の視点から描かれて時代も場所も飛び飛びになるので、たしかに読みづらい部分もあるのだけど、最後の著者自身による解説を先に読んでから取りかかるといいかもしれない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
児童書
- 感想投稿日 : 2020年4月4日
- 読了日 : 2020年4月4日
- 本棚登録日 : 2020年4月4日
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