幕末の北海道を描く蜂谷涼の新作は舞台が江戸-東京。
出戻りで実家の貸本屋の手伝いをしていたおはんは出入り先の館で源氏物語から材を取った硝子の壺に魅せられて、その壺の作者の元へ弟子入りして女だてらに硝子職人の道を目指す。
江戸の女性が一人で職人の道を目指すというと初期の北原亞以子さんの諸作品が思い浮かぶけれど、こちらは蜂谷さんらしく幕末が舞台。しかし、浮世と離れてひたすらに道を目指す主人公には世間の動乱はまったく関係なく、物語に政治動向が絡んでくることはない。
職人の世界を描きながらも蜂谷さんらしい色っぽさのある物語。
ラストにあんなどんでん返しがあるとは思わなかったけれど。
結局薩長を悪人にせずにいられなかったのね(笑)。
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- 感想投稿日 : 2011年10月10日
- 読了日 : 2011年10月10日
- 本棚登録日 : 2011年10月10日
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