首無の如き祟るもの (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年5月14日発売)
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本棚登録 : 2045
感想 : 210
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美しいからくりに首ったけ
 刀城言耶シリーズの3作目。私は前作は未読ですが、それぞれ独立した物語ということで問題ないと思います。少し読みにくさはありますが、前作の方がより難解だそう。
 ホラー街道まっしぐらかなと想像してましたが、連続殺人犯は誰か(Who)、複雑怪奇な密室への出入り方法は(How)、不可解な被害者の謎(Why)、と幾つもの疑問が提示され、読者への挑戦とも取れる章もあり、むしろ本格派のど真ん中。それでいて「怪異の伝承」が真相解明において、切っても切れない関係になっているのが見事です。
 首を切断する理由について、ずらりと書き連ねてあるのもまた一興。意味がないようでいて、実はどれかに当て嵌まるのか、それとも全く別の犯人の思惑が?・・・真実を知った時は思わず膝を打ちました。
 首無しミステリの歴史に名を刻んだのは間違いありません。全体で見ても、非常に重厚な作りです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年2月20日
読了日 : 2016年2月
本棚登録日 : 2016年2月13日

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