短編を二つ収録。『ひたひたと』はかつての洲崎パラダイス、『花腐し』は今の新宿の、性風俗街に通いつめる男たちと、そこで春をひさぐ女たちの物語。性は、生に結びつくものであるが、死とも隣り合わせ。街のなかで、性と生と死が繰り広げられ、登場人物たちは、生きて、喘いで、まぐわって、死んでいく。私たちが生まれて死んでいくとは、どういうことなのか。それは、万葉集の編まれた古代から今現在まで、なにもかわらない。人が生きて、性愛に苦しんで、誰かを愛して、死んでいくことの本質など、変わりようがないのだから。
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- 感想投稿日 : 2023年11月9日
- 読了日 : 2023年11月9日
- 本棚登録日 : 2023年10月29日
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