言語学バーリ・トゥード: Round 1 AIは「絶対に押すなよ」を理解できるか

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  • 東京大学出版会 (2021年7月26日発売)
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面白かった。
ユーミンのあの曲がなぜ「恋人はサンタクロース」ではないか、の章を読みながら、学生時代に、同級生が何かの授業の初回、生徒同士の自己紹介の時に、”なぜJR東海のCMは「そうだ京都、行こう」なのか”の持論を熱く語っていたのを思い出した。なぜ、京都へ行こう、京都に行こう、ではないのか、を結構長く語っていて、今では名前も思い出せず、顔もうろ覚えなのに、この出来事はよく覚えている。
と関係ない話になってしまったが、昔から言葉に興味だけはある(知識と教養は別にない)私としては、この「”は”と”が”の違い」とか、上島竜兵さんの「絶対に押すなよ」の「”意味”と”意図”」についてなど、身近でカジュアルなネタながら、なるほど!と思える話は、とても興味深かった。
正しい日本語についてや、文末の「・・・」やw(笑)についてなども面白かった。
ちなみに私自身は、・・・も使ってしまうし、年齢的にちょっとwを使うのはためらうが”(笑)(苦笑)”などは使ってしまう(ただし、ビジネスの場では使わないが)
それは、著者がかつての電報の例や、仕事などでのやり取りが電話からメールがメインになった時の例などで触れていたように、「淡泊さ」「冷たさ」「怖さ」を感じることが、受け手としての経験であるからだ。だから、自分が発信する場合に、冷たいとか素っ気ないと感じさせるかもしれないと思った場合に、そう思わせるリスクよりは、「こいつ(笑)とか、絵文字とか”・・・”とか、うざっ」と思われるリスクの方を取る、と言う感じだ。
しかしこれも、正しい日本語、と同じで、それを余計なことや、自己防衛のようでうっとおしい、却って失礼、と感じる人もいるのだろうし、、、言葉って難しいですよね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味・教養・実用書
感想投稿日 : 2021年9月8日
読了日 : 2021年9月8日
本棚登録日 : 2021年7月26日

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