"夫のことは、死んじまえと何回何十回思ったかわからない。でもほんとに死んじゃったら、これがぽっかりと空虚なんだ。"
"生きているうちに大切にしとけということではない。まったくそういうことではない。
自分が生き延びるほうが優先事項だ。相手の言うままずるずると生きていったら、自分の人生なんかゴウもなくなる。相手のことなんか足蹴にして生きていいのだ。
それでも、死なれると、ただ、寂しい。"(p.59)
"ああ、食べるって、ただおなかを満たすだけじゃない。人との関わりだ。つながりだ。仏教でいったら縁起なのだ。"(p.63)
"父が死に、夫が死んで、もうだれもあたしを怒鳴らない。
平穏である。
もう二度といやだ。怒鳴られるのは。"(p.89)
"でも今は、捨てたい捨てたい捨てたい。捨て身で捨てたい。捨てきりたい。こう思うのは、もう捨てて困るものが何もないからかも。"(p.113)
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2021
- 感想投稿日 : 2021年1月25日
- 読了日 : 2021年1月25日
- 本棚登録日 : 2021年1月25日
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