さよなら、男社会

著者 :
  • 亜紀書房 (2020年12月2日発売)
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本棚登録 : 540
感想 : 35
5

「話が通じる」という安心感があった。
息子たちを育てていくうえで覚えておきたいこと、大事にしたいことがたくさん書いてあった。夫には今さら期待しない。これからの時代を生きる人には伝えていかなきゃと思った。

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"感覚的だと言われる話し方は「時系列に置き直して順序よく話すには膨大すぎて、端的にストーリーとして語ることができないくらいの感情と感覚がそこにある」ことを示唆しているのだと僕は理解している。そして結論が見えないと言われがちな「まとまらない話」というのは、散漫ではなく、「わかりやすい解釈を通じて話すことができない」ことを意味しているのだと思う。だから、何が必要かというと時間だ。耳を傾けるという滞空時間が必要なのだ。男たちはそれが冗長に感じて耐えられない。なぜだろうか。ひょっとしたら自分とは異なる存在のありありとした「他者性」を感じることを回避したいのではないだろうか。"(p.188)



"男性性は男性だけが備えているものではないし、女性の中にも男性性はある。女性性もまた男性のうちに存在する。ただ、ここでいう男性性が「逞しさ」だとか「論理的」を意味し、女性性は「細やかさ」「感情的」といった、社会の用意したステロタイプである必要はもう本当にない。"(p.158)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020
感想投稿日 : 2020年12月18日
読了日 : 2020年12月18日
本棚登録日 : 2020年12月18日

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