もとは宗教画であった西洋の風景画、そして静物画。絵の中には何らかの宗教的意味が盛り込まれている。古いものであればあるほど、画面には多くの約束事がある。キリスト教発祥の地であるパレスチナは葡萄の産地であり、葡萄の実はイエス自身を葡萄酒はイエスの血を表す。薔薇はその姿の美しさから、美と愛の女神ヴィーナスや聖母マリアと結びつけられた。うつろいやすい美のはかなさ、快楽の虚しさのシンボルとしても描かれた。植物のほか、静物、肉体、動物などのアイテム一つ一つにも玄妙な意味合いがあり、現実のフルカラーの絵画と対比しながら学ぶ。鑑賞の幅をぐっと広げてもらった。
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カテゴリ:
芸術
- 感想投稿日 : 2014年5月21日
- 読了日 : 2014年5月21日
- 本棚登録日 : 2014年5月21日
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