エスカレーター人間──新思考の道

著者 :
  • 芸術新聞社 (2013年12月10日発売)
3.00
  • (0)
  • (4)
  • (4)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 43
感想 : 7
3

自営業の人から月給取りが羨ましがられる点は、成果に対してではなく勤務時間に対して給金が支払われること。時間に対して給与が支給される制度の嚆矢は、役人、公務員である。官僚たちは、自分たちに都合のいい法律をつくって自己防衛の基盤をつくった。民間より高給で年功序列。黙っていても昇進する。まさにエスカレーター。役人たちは、本物のエスカレーターが出現するより、はるか前にエスカレーターにのっていた。退職後も恩給というただ貰うだけの年金を終身受けられるようにした。恩給はただで貰う年金だから恩がつく。他力依存のはじまりである。これが社会保障、福祉へと展開し、国民年金制度が発足するのだが、未納率は年々高まっている。国民年金はエスカレーター社会の最終段階。他力依存の社会に明るい展望などあるはずがない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年11月29日
読了日 : 2015年11月29日
本棚登録日 : 2015年11月29日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする