株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2015年6月26日発売)
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感想 : 35
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トレンドフォロー型の投資手法の基本について丁寧に解説していて、題目の通り教科書的な本。移動平均線の並びと傾きからトレンドを把握し、トレンド転換の兆候をシグナルとしてエントリー・イグジットする手法。初級者向けの内容多めだが、中級者に非常に役立つと思ったのが、増資や思惑銘柄への対処法。これらのような特殊なケースについてガイドラインを出している本はまれなので、第5章の「決算、増資、IPO…特殊なケースの対処法」だけでも読む価値があると思う。

===メモ===========
・筆者の感覚では、市場全体が明らかな上昇トレンドにあるときの個別銘柄の上昇トレンド転換や、市場全体が明らかな下降トレンドにあるときの個別銘柄の下降トレンド転換は、場中に判断すると良い結果が出ることが多いように思います。
・売買代金急増の上昇の後の急落後は、株価の上値が重くなる。やれやれ売りが増えるため。やれやれ売りをこなして高値を更新していく場合は強いので新規に買う戦略も有効
・増資発表後数日で新株発行価格が決定すれば、底から新株発行価格を底値にして推移する。
・増資を発表板銘柄が成長株か否かによって、増資が実行された後の株価の動きが異なってくる。成長株の場合、増資発表後は希薄化を嫌気して一旦株価が下がるが、その後資金を有効活用いてさらなる業績の成長が期待されることから再び株価画は上昇するケースが多く見られる。
・増資銘柄を新規買いするなら、増資後底を打って多少反発した局面で買うのも1つの戦略。この場合、損切りラインは直近安値か新株発行価格。
・増資銘柄を保有していた場合は、増資発表翌日は高い価格がつくことが多いのでひとまず成り行きで売るのが一策。もしくは、新株発行価格が決定するまで持ち続け、発行価格を割り込んだ場合は損切。
・リーマンショックなどの急落でトレンドが明確に下に変わった場合は、上昇トレンドの保有銘柄でも一部を売却するなどして一部をキャッシュにしておくことが重要。どんな状況でも、下降トレンド転換=売り。
・保有銘柄のトレンドが下降トレンド転換寸前の場合は、株価指数が下落の場合は一部を売る。逆に、指数が上昇トレンドに転じ、上昇トレンド入りをする個別銘柄が増加傾向であれば、上昇転換寸前の銘柄も上昇入りするだろうと判断する。
・「思惑」で上昇した銘柄は、下落スピードも早い。
・株価が短期間で買値から5倍、10倍になったなら、上昇トレンド途中であっても少しずつ売るべき。上昇トレンド終了まで保有を続けるのは、当初の保有量の5分の1程度が望ましいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年10月28日
読了日 : 2018年10月21日
本棚登録日 : 2018年10月21日

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