昔はおれと同い年だった田中さんとの友情 (ブルーバトンブックス)

著者 :
  • 小峰書店 (2019年8月24日発売)
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感想 : 45

令和2年度の埼玉・夏休みすいせん図書、高学年向け。
どこかでおすすめされていたので気になっていたし、9月に入ったので借りて読んだ。

おれ・拓人と、忍と宇太佳(うたか)は、六年二組のしらけチーム。
おれたちが花林神社の前の通りでスケボーの練習をしていると、神社の管理人のおじいさん・田中喜市さんが話しかけてきた。
おれが田中さんにスケボーを貸すと、田中さんはころんで右手首を骨折してしまった。
それから、おれたちは田中さんの手伝いをすることになった!

いいお話でした。
年をとってきたので、涙がぽろぽろ出てきます。
会話文の言葉がほんとの話し言葉で乱れがちですが、そういう表面的なところはあまり関係ないのかもな、と思えました。
物語のなかにある思いが大切で、このお話にはその思いが詰まっています。
三重奏の三人は、それぞれの個性がきちんと描かれています。
拓人はその中でいちばん普通で、でもとても心がやわらかく、物語の語り手になっています。
85歳の田中さんもとてもすてきで、なぜそんなにも穏やかで優しいのかにも理由がありました。
自分とは違う世代と触れ合う楽しみ、周りの人の違う面を知る驚きなど、人と関わることの良さがわかります。
大人ですけども、日常も捨てたもんじゃないな、と思えました。
早川世詩男さんという方の絵がいいなぁと思ったので、調べてみようと思います。
『12歳』や『14歳の水平線』も読んでみたい、読みたい本がいっぱい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 900 文学
感想投稿日 : 2020年9月14日
読了日 : 2020年9月14日
本棚登録日 : 2020年9月14日

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