我田引鉄と揶揄されるように鉄道は政治と結びつきやすい。そんな両者の歴史と近年の現況を概観した一冊。
政治家が地元に鉄道を引くのは明治から昭和にかけての定番。都市伝説も含め多くの逸話がある。
しかし、前提となる「鉄道=地域の発展」という発想が近年は崩れているという。長崎新幹線の通る佐賀県、中央リニア新幹線の通る静岡県から見ればタダの迷惑施設となっている。一方では富山県内や宇都宮市のLRT整備のような新たな公共交通のカタチも見え始めている。
本書はそんな政治と鉄道の関係を明治から現代まで概観した一冊。国と地方の関係の変化や小選挙区制制などによる政治家の小物化(ビジョン提示から御用聞き、大衆迎合)など政治から見た視点が多い。
鉄道マニア向けというより地方自治の教科書的な内容。
読書状況:読み終わった
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テツ
- 感想投稿日 : 2021年7月7日
- 読了日 : 2021年7月7日
- 本棚登録日 : 2021年7月7日
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