たたかう植物: 仁義なき生存戦略 (ちくま新書 1137)

著者 :
  • 筑摩書房 (2015年8月5日発売)
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感想 : 37
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動物と異なり動かない植物にも適者適存、過酷な生存競争がある。植物同士の戦い、対環境、対病原菌、対昆虫、対動物、対人間について分かりやすい記述で語る。

植物の生存競争に関する本。特に花と花粉に関する進化が有名だろう。花粉を運ぶ役割を昆虫に持たせる共存関係。時に蜜だけを長い口吻で奪う蝶のようなフリーライダーも存在するが。同じように種を鳥に食べさせ遠くまで運ばせる戦略やネズミやリスの習性を利用したドングリ。あまりドングリが豊富であるとネズミ、リスが増えて全て食べられてしまうため、あえて数年おきにのみ豊作となる戦略を取ったという。

対人間。苦味のあるピーマン、辛みのトウガラシ。動物に食べられないための戦略が、まさか人間が調理に活用するとは植物の誤算だろう。ただし農作物も考えようによっては品種改良の結果、人間が育ててくれるのだから成功した戦略なのがしれない。

奥の深い植物の進化の世界を堪能しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 雑学
感想投稿日 : 2020年3月29日
読了日 : 2020年3月29日
本棚登録日 : 2020年3月29日

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