武田百合子と夫泰淳の担当編集者だった筆者。夫の死後作品が出版され話題となった百合子の文才のルーツを探る旅。
武田百合子、夫泰淳の死後、公表されることを前提とせず描き続けた日記が作品として世に出る。「富士日記」。作家である夫と一緒に暮らし晩年は口述筆記、それが百合子の作品の源泉であると言うのが通説。
本書は関係者への取材と筆者の試作を通じ、百合子の生涯を辿っていく。夫と暮らした日々もあれば未亡人、結婚前神保町の喫茶ランボオで泰淳と出会った頃。同人誌に寄稿していた女学生の頃。
特に同人誌に掲載された百合子の女学生時代の詩が絶品。天賦の文才があったようだ。夫泰淳の影響を受けて後に作家になったのだはなく、逆に夫泰淳に強く影響を与えてたのかもしれない。
「富士日記」ほか武田百合子ファンにぜひオススメしたい一冊です。
ちくま文庫版もあるようです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2020年1月9日
- 読了日 : 2020年1月9日
- 本棚登録日 : 2020年1月9日
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