この国の冷たさの正体 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2016年1月13日発売)
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冷たさの正体は自己責任論である。
自己責任論は強者の理論であり、弱者の意見を封殺するための方便。

さらに自己責任論を助長させているのは、本来は弱者と同じ立場、または同じ立場になり得る人も自己責任論を振りかざす点。
その結果、自分がいざ弱者になったとき、「助けてほしい」という気持ちと「こうなったのは自己責任」という2つの気持ちを抱く(認知的不協和)。この状態では精神的不調をきたしやすく、うつ病にもなる。

明日は我が身だと思い、情けはひとのためならずを実践する。辛い思いをしている人に優しくすること、自分の人生まで冷たくしないためにも実践したい。


〜メモ〜
学校教育から競争の機会が失われたことで活躍する機会が失われた。子供天国、大人地獄。社会に出た途端、上司から叱られ、世界との競争を強いられる、そりゃメンタル不調にもなるよね。子どもに競争させることは悪いことではない。
その対象は勉強以外にもスポーツや趣味、何でも良い。だからといって勉強全くしないのはどうかと思う。


「かくあるべし」思想からの脱却を目指す。
そのために月末は5時退社する。案外何も変わらないと思う。上司の実績や自己愛を傷つけるような発言はしないようにする。

アメリカでは大学卒業したエリートの中には、2年間ボランティア活動をする人もいる。それに参加した卒業生はグローバルに活躍する企業から声がかかる。企業も社会貢献活動の重要性を知っているから。
日本で大学卒業して2年も就職しなかったら、普通の就活は難しく評価されないこともある。『ライフシフト』で紹介された1998年生まれの女の子の生き方を日本で実践するのはしばらくは難しいのだろうと感じた

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カテゴリ: 評論
感想投稿日 : 2019年10月6日
本棚登録日 : 2019年10月6日

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