ビッケと赤目のバイキング (評論社児童図書館・文学の部屋―バイキングのビッケシリーズ 1)

  • 評論社 (1974年6月5日発売)
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感想 : 1
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才智あふれる小さなバイキング、ビッケと、勇猛果敢で考えなし、しかし意外とかわいいところもある愛すべきバイキングたちの物語。1冊目だけ学研で、本書以降は評論社から出版されている。
遠征先のイギリスで窮地に陥った仲間たちを助けるため、ビッケは再び故郷フラーケを旅立つ。イギリスだけあってアルフレッド大王の名前がちらりと出てくるのも楽しいが、主役はやはりビッケの計略の数々だ。遠征先で、帰途で、そしてフラーケに戻ってからも、ビッケはその機知で仲間を救い、読者はおおいに楽しめる。挿絵もお話の雰囲気をよく伝えてたいへんおもしろい。評論社版には画家の名前が見つからない--少なくとも私には--のが残念。
鮮やかな勝利をおさめた瞬間にもけっして勝ち誇らず、相手の立場に立って考え、ときに今後の身の振り方の世話までする。こんな権謀術数家は古今東西いなかった。考えてみれば、これこそ真の勝利であろう。やるなあ、ビッケ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2008年7月12日
読了日 : 2008年7月12日
本棚登録日 : 2008年7月12日

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