希望のカケラ 社労士のヒナコ (文春文庫 み 51-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (2023年1月4日発売)
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感想 : 24
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主人公のヒナコが嫌いと言いつつ、3作目にも手を出してしまった。
しかし、今作はコロナ禍ならではの「雇用調整助成金」の話や、最近義務付けられた「男性の育休制度」など、内容的には読みごたえがあった。
「副業はユーチューバー」など、日本の会社の嫌な部分が的確に描かれていたと思う。
「同一賃金」についても、本来ならば2020年から本格的に導入されるはずが、コロナでなし崩しになって、いつの間にか立ち消えになっている気さえしていたが、ここに来てイオングループが導入すると言うニュースが流れている。そんなニュースさえ、「今更?」と感じるのは自分だけだろうか?
コロナもあり、働き方が多様化される時代。
社労士の方々も大変だと思う。その様子を本書は良く捉えていると思うけど、やはりヒナコが好きになれない。
他の方のレビューにもあるが、社労士として問題解決をしているようには見えず、ただの日常の謎解きにしか感じられない。
しかも4年目で独立を考えているヒナコが信じられない。
今回出て来た案件も、一人で解決出来る訳でなく、クライアントの意見を踏まえた提案どころか、自分よがりの提案しかしないヒナコのような社労士だったら、私だったら、確実に喧嘩になるだろうし、権限があれば、取引しないだろう。
やまだ社労士事務所の面々がのんびり過ぎて、せっかく社労士と言う、あまり小説の題材にならない職業をテーマにしている割には現実離れしているようで、個人的にはやっぱり好きになれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 微妙・・・
感想投稿日 : 2023年3月16日
読了日 : 2023年3月16日
本棚登録日 : 2023年1月28日

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