おわかれはモーツァルト

著者 :
  • 宝島社 (2021年12月18日発売)
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岬シリーズ第8弾(第7弾?)
岬シリーズと言っても、岬が登場するのは200ページを過ぎたところ。全然出番が少なくて、ファンとしては、ちょっとがっかり…
今作の主人公は、岬と一緒にショパンコンクールに出場した盲目のピアニスト榊場隆平。
ショパンコンクール入賞と盲目のピアニストと言うことで、日本国内で注目を浴び、全国ツアーを控えたところで、隆平の目が本当は見えているのではないかと言うフェイクニュースを書く目的で、フリーの記者が隆平につきまとうようになる。
何年か前に耳の聴こえないピアニストが注目されたが、今回も隆平の自作自演と言うことで、飛ばし記事が出てしまう。
気にしないようにしていた隆平も、精神的に追い詰められ、全国ツアーも2回目にしてとん挫。隆平につきまとっていた記者も、隆平の練習室で殺害され、隆平は岬に助けを求め、その隆平を救う為に岬が颯爽と登場。
事件は犬養も巻き込んで、易々と解決。隆平と一度きりの競演を果たし、またもや颯爽とアメリカへ去っていく。
ここでもまたフェイク記事。
どうして、こんなに嘘が許される世の中になってしまったのだろうか?
2016年の設定なのに、こんな嘘の記事で人の生死を分けてしまうことを何とも思わない人がいることに、ぞっとする。
音楽の描写は丁寧だし、名前だけだが御子柴も登場し、ファンサービスもあるが、それでもちょっと岬の登場シーンが少なすぎ、今回の犯行動機はとても薄く、内容としては微妙。
次は全編で岬が活躍する様子が読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 微妙・・・
感想投稿日 : 2022年1月21日
読了日 : 2022年1月21日
本棚登録日 : 2021年12月29日

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