想像ラジオ

  • 河出書房新社 (2013年3月2日発売)
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本棚登録 : 3626
感想 : 552
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高校の時に読んだ「ノーライフキング」以来のいとうせいこう。
東日本大震災を扱った作品と言うことで、存在自体は前々から知っていたが、なかなか読む気が起きなかった。
いとうせいこう流の生と死の間に流れる微妙な空気を、明るいタッチで描いた作品。
主人公DJアークが、自分が亡くなったことに気づかず、想像の中でラジオを始める、と何とも突拍子もないストーリーだけど、実際に死んだことがないから、本当に理解することは出来ないけれど、それでも望まず命を失ってしまった人の声が本当に聞こえるような気がした。
木の話の部分はさすがに理解出来なかったけど、震災死を取り上げることは、出版された2013年には、まだまだ難しかったに違いない。その時期にこの作品が発売されたことは、凄いことだと思う。きっと、いい意見ばかではないと思うけど、この作品が震災で最愛の方を失くされた方の心の支えになった人もいたことを祈らずにいられない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2019年11月28日
読了日 : 2019年11月28日
本棚登録日 : 2019年10月23日

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