配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M お 5-1 成風堂書店事件メモ)
- 東京創元社 (2009年3月20日発売)
本好きな人は絶対に読んでいると思われる今作。
以前から存在は知っていたし、作者の他の本にまつわる作品は何作か読んでいるのに、何となく、表紙が子供向けな気がして、ずっとスルーしてきたけど、本屋にまつわる作品はふとした瞬間に読みたくなるもので、私もついに読んでみた。
舞台は駅ビルの6階にある成風堂書店。
しっかり者の書店員・杏子と勘の鋭いバイトの多絵多絵が本にまつわる様々な謎を解き明かしていく。
本格的なミステリーな「パンダは囁く」から、配達員のヒロちゃんが巻き込まれた事件を描く表題作「配達あかずきん」まで、同じ本を扱っていながら、内容が全て違う視点からの謎を扱っているのが面白かった。
「あさきゆめみし」が流行っていた頃に、まさに学生だった自分には「標野にて君が袖振る」は10代の頃を懐かしく思える作品だった。
残念ながら、漫画が苦手なので、友人が皆「あさきゆめみし」で源氏物語を読んでいる中、確か瀬戸内寂聴訳の「源氏物語」を小説で読み切ったので、30年近くたった今、改めて「あさきゆめみし」を読んでみたくなった。
でも、一番好きな作品は「六冊目のメッセージ」。
本を通じて、誰かと思いを寄せられるって素敵なことだなぁ、と改めて思わせてくれた作品だった。
この作品も、学生時代におすすめ本を教え合ったクラスメイトの存在を思い出させてくれた個人的に胸キュンな作品。
他の方の感想は杏子や多絵に関することが多いのだけれど、登場する本自体に思い入れがあり過ぎて、登場人物はそっちのけで読んでしまったかも…
- 感想投稿日 : 2021年8月11日
- 読了日 : 2021年8月11日
- 本棚登録日 : 2021年6月30日
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