つい最近単行本で出たと思っていたが、ドラマ化されるからなのか、あっという間に文庫になった印象。
今作はどのシリーズにも属さない単独の作品。
「週刊春潮」の副編集長だった志賀はある日、息子が起こした事件により加害者家族となる。
他人の不幸などのスクープを売りにしていた「週刊春潮」だった為に、逆に取材対象になってしまった志賀へのマスコミの攻撃は容赦ない。
SNSなどもあり、個人が守られない今のご時世の恐ろしさを描いているのは、もちろんだったが、意外だったのが、志賀が息子の潔白を晴らす為に奔走する話だと思ってたのが、ひたすら世間の目に晒され、追い込まれていく話が中心だった。
特に被害者遺族で、両親を失った奈々美の復讐心が恐ろしく、完全に犯罪なのに、志賀夫婦は奈々美を訴えもしないし、挙句の果てには罪の意識から、学校でいじめにあっていた奈々美を救った志賀。その志賀に心を開いて行ってしまう奈々美。
中山七里作品には珍しくちぐはぐした印象で、全体的な感想は微妙…
最終的に息子の潔白を調べ始める志賀だが、そのきっかけも意思が薄いし、ラストもいつものどんでん返しがなく、ちょっとイマイチだったかな…
ドラマ化されるらしいけど、絶対見たくない。
人の悪の感情をむき出しにしたドラマなんて、心が落ち込むだけのような気がする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
微妙・・・
- 感想投稿日 : 2020年10月20日
- 読了日 : 2020年10月20日
- 本棚登録日 : 2020年10月4日
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