この著者が考えるベストプラクティス集のような本だと感じた。
教えられるところはあったものの、サクサク読めた「捨てられる銀行」と比べると、やや冗長な感があったように思えた。
AIやフィンテックといった技術導入により、この先金融がどうなっていくのかはわからないし、もしかしたら、金融の場において審査という概念が大きく小さくなってしまうのかもしれない。
しかし、機械がきっと理解できないような「社長の熱意や仕事への真摯な姿勢」を感じ取ることができるのは人間だけで、そのような社長の性格を見極める泥臭い与信判断が、これから先の「人間が行う与信判断」になっていくように思う。さらに言えば、それができない審査マンは、融資の場にITが導入される中で排除されてしまうのかもしれない。
また、与信判断や再生支援といっても何も難しいことはない。結局は、相手が信頼できる人間かを確かめたら、あとは自分が汗をかいて応援するだけのことだと感じた。
もちろん、金融機関には人的リソースの制限があるため、どこまでできるかという問題もある。しかし、繰り返すようだが、金融の世界に攻め込んでくるフィンテック企業と差別化するためには、泥臭い仕事に邁進していくのが大切なのだと感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2018年2月11日
- 読了日 : 2018年3月12日
- 本棚登録日 : 2018年2月10日
みんなの感想をみる