ディアスポラ紀行: 追放された者のまなざし (岩波新書 新赤版 961)

著者 :
  • 岩波書店 (2005年7月20日発売)
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在日朝鮮人二世の著者による紀行エッセイ。
「ディアスポラ」というテーマをいかに考えるべきか、に関して当事者として、文明批評の視点から論じており、示唆的だった。ディアスポラは「ユダヤ人の離散」という一般的かつ個別的な問題としてしか理解していなかったが、戦争と難民の世紀といわれる20世紀以後、世界各地に離散を余儀なくされた難民、移民、マイノリティといった現代世界で無視することのできない問題を横断的に扱うことができるテーマだと気づいた。著者のインスピレーションは鋭く、危うい。日本で、生まれた時からマジョリティとしての自己を疑ったことのない自分がこの問題を自らのものとして考えるためには、どういう立ち位置をとればいいのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年6月20日
読了日 : 2013年6月20日
本棚登録日 : 2013年6月20日

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