ちいさいおうち

  • 岩波書店 (1965年12月16日発売)
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本棚登録 : 2701
感想 : 297
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のどかな田舎の小さなおうちのおはなし。
小さなおうちは季節の移り変わりを楽しみながら日々を過ごしていました。そのうちこの町に、車やトラック、ローラー車がやってきて、小さいおうちの周りはすっかり大きな街になりました。両側にビルが建っても小さなおうちはそこにありました。しかし、建ってはいましたが、ボロボロになっていました。そんな家の前をとある人が通ります。そこからちいさな家の運命は動き……

街の変遷とおうちの心情がつながっていて、街になってからは、寂しい気持ちが伝わってきました。街は、おうちにとっては幸せな所ではないのですね。穏やかな文章と、丁寧な絵と一緒に、おうちが過ごした歴史を一緒に体験できる絵本でした。
「時間」というと、小さい子にはまだピンと来ない概念ではないかな、と思えるのですが、子どもの頃、それほど混乱せずにおうちと共に時間を過ごせた記憶があります。丁寧な描写があるからでしょうか(樹木はヘンでそこがまた好き)。

見返しの部分まで楽しめる仕掛けがあって、好きです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 絵本
感想投稿日 : 2022年3月5日
読了日 : -
本棚登録日 : 2022年3月5日

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