新編 中国名詩選(上) (岩波文庫)

著者 :
制作 : 川合康三 
  • 岩波書店 (2015年1月17日発売)
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感想 : 6
3

訳も解説も読みやすくて、楽しかった。

以下、「へえ」と思ったところメモ。
・虹は不吉なもの→何かで虹のことをそういう風に受け取る文化があるって読んだけど古代の中国だったのか……(現代は?気になる)
・「鬱」がニワウメの意味だったりやっぱり憂鬱の鬱だったりする。ニワウメが気になって検索したら可愛い花だし汎用性の高い薬になるみたい。
・「風に舞う塵」という表現がでてきた。平家物語の元ネタこれなのかな?それとも昔はよく使われた言い回しなのか。
・姑にいびられて実家にかえったお嫁さんの詩「あなたの家の嫁となるのはむずかしい」という訳に、胸をギュッと掴まれたよ。一生懸命やったのにな、かわいそうにな。
・「七哀の詩」その一の解説、面白かった。名作映画の解説でも読んでいるのかと思った。
・「髣髴」って「彷彿とさせる」の「髣髴」かな。簡単な字になっただけで。だとしたら魏晋の時代から残って、今も使われている言葉なのか。
・陶淵明の「責子」好き。「阿舒はもう十六になるが、怠けぶりにかけては並ぶ者なし。(懶惰 故より匹無し)」のくだりが最高。揃いも揃って勉強嫌いな息子たちに「もー!」って思いつつ、でも可愛いがってそうな感じ、微笑ましい。
・「やんぬるかな」ってどう言う意味だっけ?と思いながら毎回、調べずにここまで人生を送ってきたけど、これで覚えた。どうするすべもないと言う絶望の感嘆詞らしい。でも現代に生きる日本人が絶対絶命で諦めるしかない時に「やんぬるかな!」って叫んだら、仰々しすぎてまだ余裕ありそうに思える。
・「木蘭の詩」これ、ムーランの話だよね。昔、ディズニー映画で観たぞ。伝承文芸・歌謡文芸で語られ続けてきたけど、記録された最も古い文献がこの北魏の『木蘭詩』ってことかな(ウィキペディア調べ)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説、エッセイ、ルポ
感想投稿日 : 2024年2月1日
読了日 : 2024年2月1日
本棚登録日 : 2024年2月1日

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