コンヴィヴィアリティのための道具 (ちくま学芸文庫 イ 57-1)

  • 筑摩書房 (2015年10月7日発売)
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感想 : 15
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論としては少し行き過ぎなのではと思うところもあったが、現代においてもますます物事の専門化が進んでおり、もはや一般人は仕組みを知らず消費するのみになっている。一方で最近はDIY思想が広まったり、地方移住がトレンドになったりと自立共生的な生き方もカウンターとして出てきている。
自立共生が達成された社会のイメージはうまく湧かないが、成長を第一の目標とする社会から少しずつ転換が起こっているような気配は本書が最近よく読まれていることからも感じる。

「私の信じるところでは、社会は、新しい生産システムの全体的効率に対する、自立的な個人と一次集団の貢献度をより大きくするような方向で、再建されねばならない。その新しい生産システムは、そのシステム自身が定めた人間的な必要をみたすように作られているのだ。」(p.38)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2022年9月19日
読了日 : 2022年9月19日
本棚登録日 : 2022年9月19日

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