人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書 12)

著者 :
  • 筑摩書房 (2005年5月1日発売)
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本棚登録 : 425
感想 : 44
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前半、半分くらいを縄文時代が占めているという、なかなか独創的ですが面白い本。
実験考古学という分野があるそうだが、先生の書かれていた内容も自分で実地体験したものが紹介されている。磨製石器の石斧で実際に気が伐れるものかどうか、実際に試されておられ、おお!と興奮する。
道具と建築の関係、建築が進むには道具にどのような変化が必要か、逆に道具が進化することでどのような建物が建築可能になるか、これはとても面白い視点だった。
また、宗教観と建築の関係も非常に面白い視点だった。宗教は人の文化を考える時に、非常に大きな影響を及ぼしているから、何を検証するにも宗教との関係があるとは思っていたが、地母信仰、太陽信仰という宗教感の変化と建築の関係、及ぼす影響については、これもまたなるほどと思った。
一方で、発想、文章は面白く惹かれるが、発想の証拠、根拠が示されていない。大昔のことで文書等が残っていないのはやむを得ないとしても、根拠は読みたかったので、ぜひ紹介してほしかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 芸術・建築・デザイン
感想投稿日 : 2018年10月2日
読了日 : 2018年10月2日
本棚登録日 : 2018年10月2日

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