ばんえい競馬を舞台にした男の再生の物語。東京で事業を起こしていた主人公、矢崎学は事業に失敗し莫大な借金を背負ってしまう。もちろん借金した先はヤバい金融。まさしく何ももたずに彼は疎遠だった兄を訪ねる。そこで出会う厩務員たちとの交流を経て、逃げてきていた学が最後、どういう決断をするのか。 どんな挫折からでも人間は立ち直ることができる。魂さえ胸にあれば。 何度負けてもレースでそりを引き続けるばんえい競馬の馬たちが、その馬を世話する厩務員たちが、背中で見せてくれる。 渋い。あまりに渋いが、心にしみわたる物語だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
純文学
- 感想投稿日 : 2014年8月10日
- 読了日 : 2010年1月9日
- 本棚登録日 : 2014年8月10日
みんなの感想をみる