過激ではない、フラットなリリックと綺麗なリズム、これは音楽だ。流れるように読ませる言葉の連なり、静かで刺激的な物語、キクとハシとアネモネの目の透明さ、叫び、イメージを喚起させられるのではなく、気が付けばイメージの中に取り込まれている、それはあの余情的な音楽に似ている、遠い追憶、子どもの頃にみた風景、心臓の鼓動の音、トロイメライ。
広い広いコインロッカー、どこまで行っても超えられない壁がある、箱庭のような場所にいる。あるいは鰐の王国、天王星。だから壊す、壊しちゃいけないものだという意識が、破壊を命ずる。それは生きろという命令に等しい。永遠に失われることのないビート。俺達は、コインロッカー・ベイビーズだ。聞こえるか? 僕の、新しい歌だ。
読書状況:読み終わった
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motoiの本棚
- 感想投稿日 : 2014年11月23日
- 読了日 : 2014年11月23日
- 本棚登録日 : 2013年6月30日
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