リクル-トのDNA(ディ-エヌエ-): 起業家精神とは何か (角川oneテーマ21 A 61)

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  • 角川書店 (2007年3月1日発売)
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リクルートのDNA
起業家精神とは何か
著:江副 浩正
角川Oneテーマ21 A-61

日本は資源小国で、鉄鉱石や石炭、石油は100%海外から輸入、農産物も60%以上を海外から輸入している。
そして、もっと深刻な問題は、国や地方自治体が国債や地方債などを発行し国民に借金をしていて、世界一の債務大国になってしまったことである。
日本で新しい産業がいくつも生まれ成長しなければ今後の発展に期待はもてない

かって、日本にはベンチャー企業の勃興の時代があった

気になったのは、以下です。

■企業風土

・経営者にカリスマ性があれば、その人間性な魅力や個性によって社員はその人についていくが、一度ベクトルがずれると、なかなか元の軌道には戻らない
・私は、ゼロから起業したため、すべてを自分自身でやらなければならなかった。
・そのような経験から、経営者は仕事の現場の隅々まで知っていなければならないとの感覚があった。
・現場の人との対話を大切にしていた
・社員の名前をすべて覚えるようにしていた

・葉隠 武士は己を知る者のために死す

・経営の三原則
 ①社会への貢献
 ②個人の尊重
 ③商業的合理性の追求

・企業が収益を上げるには
 ①質の高いサービスを提供する
 ②モノ・サービスをスピーディーに提供する
 ③コストを下げて顧客への価格を下げる

・人生の指針の一つ 易経 「窮すれば変じ、変すれば通じ、通ずれば久し」

・経営理念
 ①誰もしていないことをする
 ②わからないことはお客様に聞く
 ③ナンバーワン主義
 ④社員は皆経営者、起業家の集団
 ⑤社員皆株主
 ⑥健全な赤字事業をもつ
 ⑦少数精鋭
 ⑧自己管理
 ⑨自分のために学び働く
 ⑩マナーをモラルを大切にする

・マネージャーに送る十章
 ①希望・勇気・愛情
 ②ネットワークで仕事をする
 ③高い給与水準
 ④人は仕事を通じて学ぶ
 ⑤ブレイングマネージャー
 ⑥まず周囲に自分を語る
 ⑦数字に強く
 ⑧努力の継続
 ⑨脅威の中に、発展の機会がある
 ⑩社会とともに

■起業家の名言

・シャープ 早川徳次 他社がまねをするような商品をつくれ
・ダイエー 中内功 価格は生産者が決めるものではなく、消費者が決めるもの
・ファーストリテイリング 柳井正 商品には国境がないこと、製造と販売には境がないこと

■成功する起業家の条件

①一人では大きな事業はなし得ない、気力と体力のある若い人材を集め、目標を共有して事業を推進すること
②人がついてくることが大切だが、そのためには、まず自分を磨くこと
③企業は人なり。社員をよく知り、誰にどの仕事を割り振ればいいかを考える
④日本で初めての事業、創業者利益が得られる事業がいい
⑤社会に要請に応えていく事業、そうでなければ、一時的にはよくても、長続きしない
⑥多くの資本を要さない仕事から始めること、多くの資本を要する事業は大企業の新事業である
⑦時間をうまくつかう。人に平等に割り当てられているものは時間である
⑧失敗を恐れぬ勇気をもつこと
⑨若くかつ就職しないで起業すること
⑩大学の成績や学歴は関係ない
⑪経営哲学を社員と共有すること
⑫コミュニケーション能力を磨くこと
⑬優れた経営者は話し上手であり、聞き上手である
⑭起業家に求められるものは、倫理観である
⑮健全なる精神は健全なる肉体に宿る、健康な身体を大切にする
⑯経済と政治は密接に関係している、政治とは一定の距離をおくこと
⑰コアビジネスをつくり、他の追随を許さないように専念すること
⑱起業家は人の脳力を精一杯引き出す努力をしなければならない
⑲顧客と常に接して、顧客の声を常に聴いていなければ成功はおぼつかない
⑳若くなくても、起業して小さな成功を収めることができる

■リクルート創業期

・本について 表紙だよ、書店に来た人は最初に表紙を見る。僕は表紙に一番力を入れている
・株の世界には、見切り千両、という言葉がある。早く打って損失を確定し、次の株を買う決断をすることが大切だ
・日本は家庭から、日の丸、はなくなり、君が代、も聞かれない。愛国者ということばも死語になっていた。
・ニューヨークでは、働きながら学んでいる人も多く、スキルアップしたら転職する

■生き生きと働く風土

・社内報による経営情報の共有が、ばらばらになりがちな分社経営にあっても、リクルートの一体感を高めていた
・外飯、外酒 心がけて社外の人との会食などの機会をもつようにと奨励してきた
・私が時間を割いたのが、辞表を出した人との面談だ。在籍社員は本音をいわないことがあるが、彼らは率直な意見を言ってくれてとても助かった。
・ほめるべきときにほめ、しかるべきときにしかる
・ほめるときは派手でいいとおもった、逆にしかるときは個室に呼び出し、誰にもわからないようにしかっていた。
・しかるケースは2つ。1つはごまかしたり、嘘をついたとき、もう1つは、業績のあがらないとき
・自分の業績がふるわないことに、よくわかりませんと言い切る、達成動機の低い社員、能力が高くても達成動機の低い社員は採用しないことにした

■情報誌の領域を広げる戦略

・同じりょういきの情報誌は、「一位が強い」ことを実感した
・起業はボトムアップ、撤退はトップダウン
・ドラッカー 失敗を恐れるな、しかし、同じ失敗は二度とするな
・出版業でも、情報誌と単行本では、別の領域の事業と知った

■早過ぎた新規事業の立ち上げ

・失敗と気づいたらすぐ撤退する、がリクルートのポリシーであった
・ドラッカーは言っている。変化をコントロールすることはできない。できるのは先頭に立つことだけである

目次
第1章 企業風土について
第2章 私が学んだ名起業家の一言
第3章 成功する起業家の条件
第4章 リクルート創業期
第5章 生き生きと働く風土
第6章 情報誌の領域を広げる戦略
第7章 領域の過大な拡大
第8章 早過ぎた新規事業の立ち上げ

ISBN:9784047100879
出版社:KADOKAWA
判型:新書
ページ数:224ページ
定価:686円(本体)
発売日:2007年03月10日初版
発売日:2007年05月15日四版

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感想投稿日 : 2024年2月5日
本棚登録日 : 2024年2月1日

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