現代政治学入門 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2003年7月11日発売)
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本書は、政治学の科目、政治学教育のさまざまな方法、学ぶにあたっての留意点を述べています。

■政治学の構成分野
  ・政治思想
  ・政治制度論
  ・関連する個別トピックス

■政治学のシラバス、読み方 ようは政治学の別名、いろいろな大学での政治学の呼び名
  ・政治学
  ・政治研究
  ・政府論
  ・政治科学
  ・政治理論
  ・政治制度論
  ・国際関係論
 ※政治学と同時に履修することが望ましいもの 経済学、歴史学

■政治学の本質
 ・現実主義と理想主義
  暴力・権力は政治の反面
  権威・尊敬が政治のもう一面
 ・生存と正義に先行する秩序
  統治と同意の二元性

■政治の起源
 ・古代ギリシア 
  プラトン、理想国家論 対話篇「国家」、「法律」
  アリストテレス ①人間は社会的動物、②社会とはさまざまな要素からなっている、③最善の政体は君主政、貴族政、民主政の3者の混合政体である
 ・古代ローマ 
  ローマ法 共和政ローマ
 ・中世キリスト教的伝統
  聖アウグスティヌス
  マキアヴェリ 君主的支配と共和的支配
 ・国家と市場
  マルクス主義 マルクス主義経済と自由主義経済は、コインの裏と表
  政治と経済は補完し合っている
 ・ヨーロッパの政治的伝統の二面性 ①保守的なもの、②ラジカルなもの 
 ・共和主義、自由主義

■近代代議制
 ・政党政治、政党と圧力団体
 ・全体主義
 ・議会は民衆の意見を代表するだけでなく、同意を調達する必要がある
 ・近代社会において、経済・社会政策は命令によって強制できるものではなく、あくまでも説得の上に納得させるものである
 ・政治と医学の類似性 与えられた課題(subject)ではなく、問題(problem)を研究せよ 結末で誤ることよりも、はじまりで誤ることのほうが多い

■政治思想の諸類型
 ・汝自身と同じように、汝の敵を知れ 
 ・自分が属する陣営について語る際には、その陣営に耳障りなこともあえて口にする頑固な潔癖さと客観性をもちあわせる
 ・私たちは、観察者であると同時に、批判者たらざるを得ない
 ・言葉の概念の混乱
  政治思想
  政治理論 証拠事実を経験的に観察収集してそれを理念のもつ意味解明へと結びつけたもの
  政治哲学 分析的であるか、実質的であるかのどちらからである
  政治理念 ①何が事実か、②何が事実と考えられているか、③何が事実であるべきかという3つの問いに対する探求である
  政治的意見 自分の意見に固執している ①証拠事実をもっていないか、証拠事実を重視していない ②自分の意見を整理しないままに自分が慣れ親しんでいる意見を発言している、一貫性に欠けている

■政治制度と政策研究
 ・政治制度とは、政治というビジネスを営むためのルールを定義しようとする試み
 ・制度というものは、すべて公式および非公式なルールの集合体にすぎない
 ・制度というものは、時の産物であって、伝統にもとづいた歴史的な実体である。だから急には変えられない
 ・どんな制度でも、基本となるルールの解釈や、再解釈をめぐっていくつかの再考が生じることとなる
 ・カール・マルクスいわく、「世界を変革したいと望むなら、まずそれを理解することである」
 ・制度と過程(システムアプローチ)を分離することなどできない
 ・行政学:政府行政機構と公共機関に関連する実務上の慣行、運用方法、法律、行政官に関する研究をいう
 ・政治それ自体は、生じてくる問題と紛争を処理するにあたっては、単にそれに反応し和解させるようにふるまえばそれでよい。
 ・同様に行政も既存のシステムに応えて、それを維持するだけでよい。
 ・すぐれた行政というものは、いわば、目にみえる必要がないのである。
 ・政策研究とは、政策の形成(政策作成)と、政策の実施の双方を対象範囲としている
 ・国際関係論 ①諸国家間の関係、②国際的な諸制度の性格、③2つの構成要素を結合すること

目次

序文
第1章 政治学を学ぶ
第2章 政治的活動の本性
第3章 政治的生活の起源
第4章 近代代議制の政治
第5章 政治思想の諸類型
第6章 政治制度
第7章 理想的な組み合わせ
訳者あとがき
解説


ISBN:9784061596047
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:176ページ
定価:880円(本体)
発売日:2003年07月10日第1刷
発売日:2005年09月20日第5刷

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年7月13日
本棚登録日 : 2023年6月29日

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