現代イスラムの潮流 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2001年6月15日発売)
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現代イスラムの潮流
著:宮田 律
集英社新書

2000年前後の中東ガイドブック

■イスラム
物騒な宗教・怖い宗教というイメージを日本人はもっている
ムハマンドが聞き、人々に伝えた啓示をまとめためのがイスラムの聖典、コーランだ
ムスリムとは、神に服従し、帰依する者という意味
五行 喜捨、信仰告白、礼拝、断食、巡礼
ムスリムに求められているのは、神であるアッラーを信じること
預言者とは人類に神の言葉を伝える人間たちである
イスラムでは妻帯は4人まで認められている
シーア派ではムトアという一時婚が認められている
イスラムの商売では利子(リバー)をとることが禁止されている
ムハマンドの血族、ヨルダン王家のハーシム家が子孫だ

イランはシーア派が主力
シーア派はムハマンドの娘婿であったカリフのアリーを正当尾なムハマンドの後継者と見なしている
アラブ人はスンナ派で、シーア派を異端としている
スエズ運河以西のアフリカにはシーア派はいない
イラン以外では、シーア派の信仰が盛んなのは、レバノン南部、アフガニスタン中部、イラク南部だ
シーア派組織、ヒズボラ(神の党)

■中東
アルメニア キリスト教を国教とした最初に国であり、トルコのオスマン帝国から大虐殺を受けた
トルコ 中東最大の軍事国で、NATO加盟国、ロシアと歴史的に敵対している
 ユダヤ人がオスマン帝国時代に農業、産業、通称の近代化に貢献しているため、トルコ人はユダヤ人に友好的だ
イラン アリーは聖人としてあがめられている
クルディスターン クルド人の居住地 トルコ、イラク、イランにまたがる山岳地で暮らしている
マケドニア 20世紀初頭にムスリム、ユダヤ人が民族浄化の名目で虐殺されている
ボスニア紛争 
 セルビア人⇒東方正教会、ロシア、ギリシア、ブルガリアが支援
 クロアチア人⇒ローマカトリック、オーストリアが支援
 ムスリム⇒トルコ人が支援     
イラン 
 SAVAKがCIAの支援を受けて秘密警察と諜報機関を創設、反国王勢力の弾圧に
 ホメイニ、イラン革命
モロッコ
 国王がベルギーへ留学、近代化路線

■パレスチナ問題

もともとエルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が共存していた
シオニズム⇒ユダヤ国家建設へ
バルフォア宣言⇒イギリスが、パレスチナにユダヤ人国家の創設を約束
フセイン・マクマホン書簡⇒パレスチナを含むオスマン帝国にアラブ国家を約束
第1次中東戦争 1948
スエズ運河国有化 1956
第2次中東戦争 1956
第3次中東戦争 1967
第4次中東戦争 1973
レバノン戦争 1982
イスラエル・PLO和解 1993

■アフガニスタンとタリバン

湾岸戦争 1990
ニューヨーク 世界貿易センター爆破事件 1993
ケニア・タンザニア、アメリカ大使館爆破事件 1998
(911同時テロ 2001)

カシミール問題 もともと、住民の多数がムスリム、藩王がインドへ帰属

第一次石油危機 田中政権がサウジに油乞い外交を、
イスラエル占領政権を非難して、友好国の認定を受ける
⇒これに怒ったアメリカが、ロッキード事件を引き起こしたという説がある

目次
まえがき
第1章 イスラムとは何か
第2章 イスラムの宗派と、民族の融和と抗争
第3章 成長する「イスラム原理主義」とは何か
第4章 パレスチナ問題―イスラムと異教徒との最大の紛争
第5章 現代の「ジハード」をスケッチする
第6章 イスラムとの共存・共生を考える
主要参考文献

ISBN:9784087200966
出版社:集英社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:660円(本体)
発売日:2001年06月20日第1刷

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 現代史
感想投稿日 : 2023年12月19日
本棚登録日 : 2023年8月15日

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