なぜか結果を出す人の理由 (集英社新書)

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  • 集英社 (2014年11月14日発売)
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なぜか結果を出す人の理由
著:野村 克也
集英社新書 0765 B

その人が他の人に比べて抜きん出た結果を出しているのは、その技術や、方法論ということ以上に「信頼」や「周囲を巻き込む力」によるものだということである

これは野球以外の仕事の現場でも、まったく同じではないだろうか

よくよくその選手の「努力」と「成果」を見てみると、やはり原因と結果が強く結ばれていることがわかる
それは、正しい努力をしているのか、それとも、間違った努力をしているのか、ということだ

気になったのは、以下です

■同じ努力でも、なぜ結果に差がつくのか

・なぜ、一生懸命に努力をしていても、いい結果がでないのか
・その答えは実はとても簡単なことだ
・努力の仕方がまちがっているのだ

・がんばって努力したから、ちゃんと報われた。めでたしめでたし という成功物語は、
 がんばって正しい努力をしたから という前提条件があってこそ めでたしめでたしという結論につながるのだ

・努力はウソをつかない、というのは、もっともベーシックなところで信じてきた言葉だ

・一流選手とは、ただ野球がうまいというだけではなく、人間といて尊敬ができる存在でなければならない

・プロと名がつくのだから、野球の素質や技術が優れているプロ野球選手はいくらでもいる。
・しかし、その中で一流と呼ばれるのは、人格や、人柄、取り組む姿勢や日頃の行いが伴っていなければいけない

・真のエースというものは、だれよりも速い球を投げたり、すごい変化球を投げたりして、たくさん勝ち星を挙げることよりも、いかにチーム内で信頼されているかということが重要だ

・この人のためにがんばろう、と思われる人が大きな結果を出す

・人間の進歩とは、自ら変化することだ、自分が変わらなければ成長はない
・変わるというのは、勇気のいることだ、しかし、その変化を遂げたときには、これまでとは違う結果が得られる可能性が広がっているのだ

■努力は天才を上回るのか

・長島もイチローも、だれかに言われてやっているのではなく、どんなに努力をしても、どんなにいい結果をだしても、自らは飽き足らず、さらなる努力をして、またさらなる結果をだしていく
・このタイプは頂点の中の頂点であるから、古今東西、そうたくさんはいない

・才能があって、努力しない タイプの人は、いつ本人が気づいて努力をするかで結果は大きく変えられる

感じる力が正しい修正を導く
・ピッチャーが完全に打ち取った打球をアウトにするのは当然の仕事
・ヒットになりそうな難しい打球でも、ファインプレーに見せずに簡単に合うとにできるのが理想
・そうすればピッチャーは自分のボールに自信をもって投げ続けられる
・それが野手からピッチャーへの思いやりというものだと思います

・一生懸命に努力をしているのに、なかなか結果が出ない人と、努力が報われている人の差はなにか
・それは、感じる力である
・人は感じるから考える
・そして考えた通りに行う
・感じて、考えて、行う
・それが、人間の行動の仕組みの原理原則だ

・プロフェッショナルが、自分の身一つでいきていくためには、なんといっても、己を知ることが必要だ
・今の自分には何がたりないのか、どこが弱いのか、どこを磨けばいいのか
・それを常に正しく認識できるかどうかが勝負だ

■野村式 結果を出す技術

・指導者や監督のつとめというのは、手取り足取り教えることよりも、どう気づかせるかということが重要だ
・監督とは気づかせ屋でなければならない

・努力を継続していくためには何が必要か
 ①好きこそものの上手なれ 好きなことを見つける、好きなことをやらせる
 ②強い動機 こうなりたい、という夢や目標があれば、努力は苦ではなくなる

・プロというのは1日24時間をどう使うかで勝負がきまる

・プロの世界は結果がすべてだ、言われる
・しかし、私は監督として、結果よりもプロセスを重視して選手を指導してきたつもりだ

・自分がスランプだと思っている。そうではない、「できて当然」なのではなく「できなくて当然」と自覚すべき

・短所が目立つ人でもなんとかして組織の役に立ってもらうように導いたり、上手く使ってあげたりして戦力にしていこうとしなければならない
・そこでそう、欠点ばかり責めないで、あの人のいいところを見てあげようじゃないか、という視点がでてくるわけだ
・世の中には、多くの時間をかけて短所を直すより、長所をどんどん伸ばすほうが効率的でよりよい結果につながる、といった指導法を信じている人がたくさんいる
・だが私はそれはウソだと思っている
・長所を伸ばすためには、短所を鍛えろ だ

・人を育てるということは、その人の自信を育てるということだ

■チャンスを逃さない人はここが違う

・ああ、そういうことか。球団としては、もうやめてほしかったんだな
・そう気づいた。そして、正しいのは球団の評価の方であって、私の希望や自信というのは単なる主観でしかないのだ
・人の評価というものは自分が決めるものではなく、周りが決めるものなのだ。

■結果を出す指導者の条件

・言うことをきちんといい、叱るべきときには、ちゃんと叱る
・選手に嫌われることを怖れることなく、厳しく指導する

・人間は感情の動物である

・「知っている、頭でわかっている」を「できる」にしていくためには、まず、「やってみる」「やってみせる」ということが必要だ
・「わかっている」ことを「できる」にするためには、努力が必要だ

・プロ意識とは「恥の意識」と同義語である
・「プロとして恥ずかしい」という意識を常に持ってなければいけない
・「プロなのに、こんなことも知らないのか」「プロのくせにそんなプレーをするのか」と思われてはいけない

・私は昔も今も処世術というものがない
・思ったことをそのまま言う
・どんな相手に対してもそうだ

目次
はじめに
第1章 同じ努力でも、なぜ結果に差がつくのか?
第2章 努力は天才を上回るのか?
第3章 野村式“結果を出す技術”
第4章 チャンスを逃さない人はここが違う
第5章 結果を出す指導者の条件
おわりに

ISBN:9784087207651
出版社:集英社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:800円(本体)
発売日:2014年11月19日

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 組織論
感想投稿日 : 2024年4月8日
本棚登録日 : 2024年4月6日

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