超バカの壁 (新潮新書 149)

著者 :
  • 新潮社 (2006年1月14日発売)
3.35
  • (110)
  • (266)
  • (646)
  • (71)
  • (16)
本棚登録 : 3058
感想 : 273
5

バカの壁、死の壁の続編、帯にこの「壁」を超えるのはあなた とある

相談をするときに、具体的な答えを期待する人がある。それはおかしい。自分のことは自分で決めるので、相談とは、根本的には「考え方」についての疑問である。他人に伝えることができるのは、「考え方」だけである。
人生とはそうした「些細な」体験の繰り返しである。歳をとれば、その「些細」が積もり積もったものになる。

バカの壁は超えられなくても、超バカな壁は超えることはできるのだろうか。

読んでいくうちに、著書は結構、極論が好きなのではというところが結構ありました。

気になったことは以下です。

・国民皆労働が常識になったのは戦争のせいではないかと思います。今は豊かになってから、ある程度の人数が働かないで済むようになったのです。
・働かないのは、「自分にあった仕事を探しているから」という理由を挙げる人がいちばん多いという。これがおかしい。二十歳そこらで自分なんかわかるはずがありません。中身は空っぽなのです。
・会社は全体として社会の中の穴を埋めているのです。その中で本気で働けば目の前に自分が埋めるべき穴は見つかるのです。

・そもそも仕事は世襲でもいいのです。世襲というものは一時期、悪の権化みたいに言われていました。封建的だとか何だかという批判です。
・医者の世界でも三代目なんてケースは珍しくありません。要するに、地盤、看板が必要な職業は世襲にならざるを得ない面があるのです。「先代が死んだからもう病院を閉めます。さようなら」では、地域が困ります。世襲ならば、設備などのハードの面をスムースに引き継げます。その代わり子供が幼いときから職業のことをたたき込むのです。もし子供がいないか出来が悪いければ、外から才能のあるやつを引き抜いて養子にすればいい。

・「秀吉の草履取り」、本気でやることの大切さを教えているものです。秀吉は、草履取りを本気でやた。初めから本気でやれば、あそこまで偉くなれるという話です。だから本気で仕事をしろと教えているのです。

・ナンバーワンよりオンリーワン。努力すれば夢はかなうという幻想。
・時を中心に考えれば、本当に大切なのは、先見性ではなくて普遍性なのです。その人が普遍性をもっていらいつか時が来る。その人に合った時代が来るのです。

・日本人の自分は、西洋人とは違います。西洋人の I ト 日本人の私は実は違うものなのです。
・頭とは、いいよりも丈夫なほうがいいことが多いのです。
・あなたの考えが100%正しいということはないだろう。せいぜい60%か、70%だろうと言っているのです。

・倫理とは個人の問題なのです。
・税金はがんで死にそうな人でも収入があれば、取られています。だから「血税」というのです。

・生物学的にいうと、女のほうが強い。強いということは、より現実に適応しているということです。つまり無駄なことを好まないということです。
・複雑すぎる機械は壊れやすい。だから女というものは、比較的シンプルな作りになっているのです。

・都市化ということは、根本的に子供を育てることに反するからです。
・子供には個性があるから大事にしましょうというタイプの教育は、戦後すぐには始まっていました。その個性を大事にすることが子供を大事にすることだと思ってしまう。だから、親は子供に教えない。教えるということはある意味では叩き込むことです。
・昔に比べると子供は大事にされているというのはウソです。それは甘やかしていることと大事にしていることを混同しているだけです。

・私には、戦争責任はありません。本人の記憶のないことについてあれこれいうのはおかしなことです。実感がないから、当時のことなんかわからない。私に責任がないならば、若い人に戦争瀬金があるはずありません。

・靖国神社に参拝するのは小泉首相の勝手です。憲法で「思想及び良心の自由」「信教の自由」は保障されているのです。ただし、政教分離なのですから、日本国総理大臣と署名して参拝するのだけはやめればいい。

・人間は金以外の動機で動くものなのに、ほとんどの人はそうではないと思っている。金とは単なる権利だということがわかっていないからです。

・原則を持つ、原則ができればどんな苦情にも答えられるようになります。

・本気の問題。きちんと正面からぶつかる経験をしておけばよかった。

・雑用のすゝめ。若いときにはいろんなことをやってみることを勧める。

目次
まえがき
1 若者の問題
2 自分の問題
3 テロの問題
4 男女の問題
5 子供の問題
6 戦争責任の問題
7 靖国の問題
8 金の問題
9 心の問題
10 人間関係の問題
11 システムの問題
12 本気の問題
あとがき

ISBN:9784106101496
出版社:新潮社
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:760円(本体)
発売日:2006年01月20日

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年7月7日
本棚登録日 : 2023年7月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする