前半部分では、脳科学に基づき、ストレスが発生する原因と過程を丁寧に解説されています。後半はそれらを踏まえた上で、ストレスとどう向き合うべきか?どう解消すべきかが書かれています。
脳に関する記載の部分では、ストレスと深く関わりのある前頭前野の説説明がされていて、この部分は非常に参考になりました。人間らしさを形成する前頭前野の3つの脳の働きは以下の通り。
・共感脳 = セロトニン
・学習脳 = ドーパミン
・仕事脳 = ノルアドレナリン
セロトニンは、前頭前野内で「指揮者」のような役割をしていて、セロトニンがしっかりと分泌されていると、その他のドーパミンやノルアドレナリンも適切な分泌量がコントロールできるようになります。
定常的なセロトニンの分泌量を増やす事が日々のストレスを「消す」ための有効な手段。その方法として、以下が挙げられています。
・リズム運動 … ウォーキング、呼吸法、坐禅など
・太陽の陽 … 1日30分以上浴びる
・感動の涙 … 共感脳が流す涙はセロトニンを分泌
前半部分の「脳」にフォーカスしたストレスの解説は、脳の構造・分泌成分を含め丁寧に解説しながら読みやすく書いてあり、説得力があり分かりやすかったです。ストレス発生の概念的なものは、かなり掴めたんじゃないかと思っています。
後半部分のストレス解消につなげる「アクション」については、より詳細・具体的な方法がもっと記載されていたら、尚良かったなと思いました。
ただ、何がベストな方法かは個々人に依存する部分が多いので、セロトニントレーニングを日常にどう取り入れるかは本書を読んだ上で個々人が何かしら考える必要はありそうですね。
- 感想投稿日 : 2011年6月11日
- 読了日 : 2011年6月10日
- 本棚登録日 : 2011年6月3日
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