久々の読了。
何か知識の支えとなればということで祖父よりお勧めされて読み始める。
個人的に好きだったのは「流亡記」である。始皇帝が中華統一し、万里の長城を建設するに至るまでを末端の街の男の視点から描かれる。これがとても残忍。
一般的に人が集まり、何かを作るということは徐々に生まれる一体感や完成に近づく高揚感の共有こそ醍醐味であるのに、万里の長城は巨大さゆえにそれがない。人は部品でしかない。
それでいて出来上がったものは土を練り上げて立ち上げたもの。プロセスだけを見れば建築とも土木とも丘陵とも取れる皮肉である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年7月28日
- 読了日 : 2023年7月28日
- 本棚登録日 : 2023年7月28日
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