≪誕生≫が誕生するまで The Birth of Rebirth

著者 :
  • 青幻舎 (2017年8月7日発売)
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本棚登録 : 40
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2017年、行きそびれた展覧会が池田学。超細密なペン画という技法で描かれるスケールの大きなテーマの絵。ミクロとマクロの同居。部分と全体の織りなす美。その魅力もさることながら、どんな人が描いているのだろう?この人の頭の中はどうなっているのだろう?と気になる。

最新作「誕生」はマディソンの美術館の「アーティスト・イン・レジデンス」という制度を利用して制作された。美術館に滞在して制作、その過程や完成された作品を公開することで文化交流を図る制度とのこと。その 3年にわたる制作現場を NHK BS の再放送をたまたま観ることができたのだが、美術館で制作の部屋を公開して観覧する人たちと交流しながらの制作、それが自分に合っているという画家に、好感を持った。

この本は「誕生」の制作背景を画家自身が解説、さらに絵の一部を取り上げて説明する。この本のカバー自体が、「誕生」の複製画になっているというユニークな装丁。1mm 以下のペン先で描くため、1日に描ける量は 10cm 四方だという。

米国での生活を書き連ねた「マディソン日記」というブログも興味深く読んだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年10月8日
読了日 : 2018年1月11日
本棚登録日 : 2018年10月7日

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