暗夜行路 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1972年11月15日発売)
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感想 : 11
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生来、ひとりの人を心底から愛せない、信頼できない、それでいて惚れやすい、だからといってとことんに惚れ込めない、何なのだろう、この性根は? 
それを普通でない自分の生い立ちからくる自分にはどうにもならない運命的なものに求めてしまう。
こうした思いを改めさせたのが、直子との結婚生活であった。はじめ、本気で愛することを教えてくれたのが直子の存在だった。
直子との関係もそう一筋縄には行かなかった。ある出来事から直子との関係も複雑になってしまう。しかし、今までの自分だったら中途半端にその関係を解消してしまっていたかもしれなかったが、今度は違った。直子との距離をいったん置いて、自分を見つめ直すことをする。自分を見つめ直し、自分自身の力、思考によって、直子との関係、自分の人生を切り開いてゆく。

暗夜行路。暗い夜道を行く。はじめはひとり彷徨い歩いていたが、小説の終わる頃には、その傍らに直子が手をとって歩いている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本近代文学
感想投稿日 : 2024年3月31日
読了日 : 2024年3月31日
本棚登録日 : 2024年3月25日

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