いやあ、すばらしかった。
タイトルに反して、著者の作家になるまでの努力と情熱の日々を綴った小説。
子供のころから活字中毒。大人になると自然な成り行きで作家を目指し、雑誌の新人賞に応募するが、なかなか芽はでない。
人生の節目に登場する「おまえは作家になれない」と面と向かって言ってくるひとたち。その度に読む側は哀しくなり、がんばれ!と強く主人公である著者を応援する。
念願かなって作品が本になるとわかり、陰でずっと支えてきてくれた妻と抱き合う主人公。その瞬間には首のあたりから鳥肌がたった。
自身の半生を、これだけ起伏に富んだ「おもしろい」小説にできるのだがら、鯨統一郎はすごい作家だと思う。
いままでこの方の作品を読んでこなかったことを後悔した。
他の作品も読もう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年10月15日
- 読了日 : 2011年10月15日
- 本棚登録日 : 2011年10月15日
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