いわゆるクローズド・サークルもので好みのシチュエーションだが、序盤から中程まであまり入り込めなかった。事件が次々に起きるわけではなく、盛り上がりに欠ける展開だからだろう。しかも、奥歯にものが挟まっているみたいな違和感。
しかし最後まで読んでみれば、感じていた違和感の正体も、入り込めなかった理由もわかる。あぁ、叙述トリックってこんな使い方もあるのかと。正直驚いた。そして、自ら築き上げた作品をぶち壊すかのようなラスト。
本書のレビューで「叙述自体もう古い。だいたい人物描写ができていない」とか書いている人がいるのを見た。おそらくこういう「最後の数ページのために存在する本」が嫌いなのだろう。確かにそういう人には勧められない。純粋に騙されるのがお好きな方はぜひ。
読書状況:読み終わった
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麻耶雄嵩
- 感想投稿日 : 2011年3月6日
- 読了日 : 2011年3月5日
- 本棚登録日 : 2011年3月5日
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