螢 (幻冬舎文庫 ま 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年10月1日発売)
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本棚登録 : 2232
感想 : 248
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いわゆるクローズド・サークルもので好みのシチュエーションだが、序盤から中程まであまり入り込めなかった。事件が次々に起きるわけではなく、盛り上がりに欠ける展開だからだろう。しかも、奥歯にものが挟まっているみたいな違和感。

しかし最後まで読んでみれば、感じていた違和感の正体も、入り込めなかった理由もわかる。あぁ、叙述トリックってこんな使い方もあるのかと。正直驚いた。そして、自ら築き上げた作品をぶち壊すかのようなラスト。

本書のレビューで「叙述自体もう古い。だいたい人物描写ができていない」とか書いている人がいるのを見た。おそらくこういう「最後の数ページのために存在する本」が嫌いなのだろう。確かにそういう人には勧められない。純粋に騙されるのがお好きな方はぜひ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 麻耶雄嵩
感想投稿日 : 2011年3月6日
読了日 : 2011年3月5日
本棚登録日 : 2011年3月5日

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