こういうテイスト、好き。
今ある過酷な状況から脱出するために現状出来うる準備をして・・・って話、ゾクゾクする。
例え行程が単調でも、失敗に終わっても。
食料的に困窮してるワケではないにしても蒔となる家屋に限りがあるから、あのままではジリ貧だろうし、どちらにしても行動を起こすしかないというね。
自分を騙し騙し脚を進めるんだけど、現実を目の当たりにして挫折してジリ貧な元の住処に戻ってくるとかツラすぎる。
(しかも住処まで戻ってきたことが分からず、危うく通り過ぎそうになるとか。)
どうやっても怪我も治ってるようには見えないし、どう考えても強がりなんだけど、狼相手に虚勢を張ることで無理矢理絶望から目を逸らしている感が読んでて非常にツラい。
『聲の形』作者らしいけど、こういう無理矢理自分の中で消化しようとしてるもどかしい描写、得意だよね。
で、後半は雰囲気がガラッと変わって普通の都市国家時代っぽくなっちゃった。
そして、そこで生じる問題に普通に(要は物語の展開としてはありがちに)巻き込まれるという・・・。
こうなると単なる異能者モノとか異世界転生モノとかと変わらなくなっちゃう可能性があるので、ちょっと不安。
今後に期待。
あの球が少年に再会する日は来るのだろうか?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年2月1日
- 読了日 : 2017年2月1日
- 本棚登録日 : 2017年2月1日
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